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[まとめ]~SNS拡散から配送コストへ!~ 包装パッケージ攻略法
2023.06.13
[まとめ]~SNS拡散から配送コストへ!~ 包装パッケージ攻略法
2023.06.13
「その包装、本当に適切?」資材包装会社CEO 油屋氏が語る、ナメちゃいけないパッケージの可能性。そこから繋がる「バズ」を目指すEC運営・SNSマーケとの関係。
BY 矢口 裕久
東京都内の大学に通う、ファッション誌のエディター志望の大学生。
個人ではインスタグラム @hiro_runway としてファッション系インフルエンサーとして活動し、
フォロワー数は現在約3万5千人。
アパレル業界に特化した転職支援会社for peopleが独自に行う、
業界転職を目的としたPCスキルを身に着けるためのweb講座「ECアカデミー」。
今回はその特別講義として、オリジナルパッケージの制作・調達を行うプラットフォームを運営されている、
株式会社shizaiの油谷取締役をお招きし、ECやD2Cを運営する企業さまの大切な商品の”開封体験”を向上するための、
パッケージノウハウについてご教授いただいた。
株式会社shizai 共同商業者兼代表取締役 油屋 大希 氏
オリジナルパッケージ資材フォーム 株式会社shizaiを創業し、アパレル・サプリ・食品・化粧品など、様々な分野でオリジナルパッケージ制作を担当。
以降、大手からスタートアップの企業まで、幅広い規模の企業をサポートしている。
ポストコロナで今後の成長が期待されるEC、D2C業界に向けて何かできることはないか。
そこから生まれた「資材パッケージ」というアイデア。
パッケージ、と一言で言えるほど実は簡単ではない。
数えきれないほどのデザイン構成構成、資材メーカーとの連携、コスト増大など、様々な課題をふべて一括でサポートすることで、
その信頼を集めてきた。
今回はそれらの「よくある問題」を全て丸裸にする。
1:購買意欲から分析、パッケージの重要性。
2:一つの間違いが命取りに。変化し続けるEC運営と事業フェーズ。
3:商品を宣伝するのは我々ではない。UGCの重要性。
4:UGCを「生み出さない」要素を分析。
5:高いUGCを生み出す包装の共通点。
6:費用分析で「圧倒的」コスト削減へ。UGCアップの根底。
1:購買意欲から分析、パッケージの重要性。
調査によれば、パッケージは顧客対応に次ぐ顧客の購買意欲を高める重要な要素であり、
近年はコロナ禍による対面接客の機会の減少などから、企業がパッケージに注力する傾向が増えている。
さらには、事業モデルや、ユーザーの属性によってパッケージの考え方が変わりうるので一概にこれが良いというわけではない。
具体的な例としては、コストを抑えたいサブスクリプション企業が数千個の段ボールを1日に使用する場合や、
高価格帯の商品に合わせたパッケージ、過剰包装に対するフィードバックが入りやすいターゲットに向けたサステナビリティに焦点を当てたパッケージ、ギフト利用のための購入者と利用者が異なる包装などがある。
2:一つの間違いが命取りに。変化し続けるEC運営と事業フェーズ。
商品の販売時期にもパッケージと深い関係にあり、主に4つの大きな販売時期が存在する。
1:ヒートアップ期
販売分析に基づいてパッケージデザインを検討する。商品の中身が購買者の主な目的である食品業界や、
ブランドの雰囲気を重視したパッケージを作ることも重要な要素であるアパレル業界。
コンセプトによって、シンプルな段ボールか凝ったパッケージか。
2:アクセラレーション期
商品の組み合わせやユーザー属性を考慮してオリジナルパッケージを作成する。
3:転換期1
さらに事業を拡大するために、販売チャネルや新商品を増やす段階。
主にオンラインとオフラインの両方で販売することを目的とされる。
しかしそこがブランドにとって大きな転換点でもあり、ある一つの靴のインソールの会社の経営戦略を例に挙げた。
そこでは主にオンラインをメインに展開しており、特にSNSでの「インスタ映え」を狙って商品を宣伝していた。
ある時経営拡大のためにオフラインの東急ハンズで販売した際、「しっかりと」アピールポイントを持った競合他社と比較され、
どうしても購入に繋がらなかったという。
4:転換期2
資材コストを見直す段階。この規模感になると、毎月の配送量や配送サイズなどを分析する段階にあり、
ここまでくるとかなり経営が順調であると言える。
ファン作り→事業モデル→事業フェーズのフローを掴み取る。
3:商品を宣伝するのは我々ではない。UGCの重要性。
一般ユーザーによって作られたコンテンツをUGCという。つまり、SNSでユーザーによって商品を宣伝、拡散されることである。
4:UGCを「生み出さない」要素を分析
「何が売れるか」より、「何が売れないか」
その上で重要な要素な3つの要素を紹介しよう。
1:過剰包装。
某有名ショッピングサイトのように、開けてもすぐに中身が見えない、箱の中に箱、といった面倒な包装は避けよう。
2:パッケージの目立つ傷や汚れ。
例えパッケージのデザインが良くても傷がついていたらどうしようもない。梱包資材の強度の見直しが必要。
3:デザインの上に貼ってある伝票。
伝票が載ってる写真なんてSNSに投稿するワケがない。個人情報も載っているし、何より「映えない」。
伝票を貼る位置を印字して解決しよう。
5:高いUGCを生み出す包装の共通点
UGC増大からSNS拡散、高倍率UPへ繋げている良い例から共通点を分析する。
サブスク型のコーヒーを展開する企業「PostCoffee」
過剰包装を無くし、「開けたらすぐ」の状態に。シーズン毎に合ったテーマカラーを決め、
さらに箱の裏面にメッセージを入れることで視覚的に顧客を飽きさせない工夫をしている。
また、ポストに入るサイズにすることで、より顧客に手元に届きやすい工夫もある。
ポイントは包装のサイズ自体は変えていない、ということ。コストは安く、大きなUGCを生み出すことに成功している。
女性用の下着をメインに販売するブランド「feast」
お菓子の袋として使用されている包装紙をポストサイズに拡大し、さらに細かなデザインでパッケージを作成することでブランドの世界観を演出している。さらに、SNS(Twitter、お客様アンケートなど)を通して顧客とのコミュニケーションを積極的にしている。
これにより、圧倒的な製作コストの安さ、そこから特定のターゲットに焦点を絞って高いUGCを生み出している。
プラスサイズの胸が大きい女性に向けての下着を展開するブランド「over E」
ブランドカラー、メッセージなどを全て内側に印字することで、箱を開ける際の「ワクワク感」を大切にしている。
また、顧客が商品をSNSに投稿する際に写真の枠に収まるようにメッセージの高さにも工夫がある。
ギフト利用としての定評があるお酒をメインに展開するブランド「SAKEICE」
買った顧客の住所と送り先の住所が違う→つまりギフト利用として活用されていることが分析で判明。
そのため、ギフト利用を想定した安価な「みかん箱」に、お中元のようなデザインを施すことでコスト削減を実現。
注目は箱の裏面にプリントした「まちがいさがし」。
その答えを知ることができる会社LINEのIDも共に印刷することで、遊び感覚で自社HPに入ってもらうように工夫している。
・「投稿されない」要素の排除。
・「誰が」「どのような」シチュエーションで商品を受け取るかを想像する。
・ユーザーと一緒に。「アンケートやリニューアル通知」を活用。
6:費用分析で「圧倒的」コスト削減へ。UGCアップの根底。
パッケージのデザインでUGCアップ、とはいえ結局お金はかかる。そこで着目して欲しいのがコストの見直し。
世の中にあふれる、4つの「もったいないお金の使い方」を見てみよう。
1つ目が資材コスト。
工場によって得意な箱のカタチがあり、用途に合った工場、
そこからの配送距離だけを考慮するだけでもかなりのコストの削減に繋がる。
2つ目は配送コスト。
依頼される企業のパッケージの中には、箱のサイズと商品のサイズに微妙に隙間があり、
「この数センチの隙間の意図は?」と思う瞬間があるという。ポストに入るサイズか、
もう少し小さいサイズでも良いのではないか、と分析するだけでかなりの節約ができる。
「そのサイズ、本当に必要か?」という疑問は意識する必要がある。
3つ目は保管コスト。
ロット数によっては、ある一定の量以上を注文するだけで合計コストが安くなる例が存在する。
数千単位のロットで注文ができる企業であれば、その見直しも視野に入れよう。
また、資材によっては、不必要に厚みがあったり、組み立てづらい形状だったりと、
パッケージのカタチも見直すべき箇所があるようだ。
4つ目が組み立てコスト。
資材によっては、組み立てにかなりのガムテープを使用して時間がかかってしまう、なんてこともあるが、
ワンタッチ式の段ボールなどに変えるだけでひと段ボールあたり10秒以上の組み立て時間の短縮に繋がり、人件費削減が可能である。
・資材コストの見直し→最適なサプライヤー、ロットへの変更
・配送コストの見直し→資材サイズ、梱包の組み合わせの見直し
・保管コストの見直し→倉庫そのものの見直し
・組み立てコストの見直し→資材の形状の見直し
アパレル・ファッション業界求人・転職
株式会社フォーピープル
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【事業内容】
▼アパレル特化転職支援・人材紹介
「フォーピープル」
Author Profile
- 株式会社フォーピープル
代表取締役
文化服装学院を卒業後、SPAレディースアパレルで営業・MD職を経験、
その後OEM企業での営業生産職を経て株式会社フォーピープルを設立。
アパレルOEMに加え、EC出店代理店事業やイベント事業を経て、
現在はアパレル業界に特化した転職支援事業を主軸とした営業会社というビジネスモデルを確立。
デジタルとアナログのクロスマーケティングを得意とし、業界内外の様々なネットワークを駆使し事業を拡大している。